夕食の支度をしながら、ふとリビングを見ると、英語の絵本がテーブルの隅に置きっぱなしになっている。最初は毎日読もうと張り切っていたのに、最近は忙しくてなかなか時間が取れない。仕事と家事に追われる中で、「おうち英語、続けられてないな…」とため息をつく——こんな経験、ありませんか?

はい、私です(笑)。でも、そこを乗り越えて、おうち英語歴は3年となりました。
おうち英語を始めるときは、「楽しみながら英語に親しませたい」と思っていたはず。でも、仕事や家事に追われる日々の中で、気づけば習慣が途切れ、子どもも興味を示さなくなってしまう。でも大丈夫。おうち英語は、ちょっとした工夫で無理なく続けられるものです。
本記事では、おうち英語が続かない原因を分析し、無理なく継続するための具体的な方法をご紹介します。


- TOEIC895点
- 東京大学院卒
- 英語教育歴3年(絵本・トド英語・CTP・Raz Kidsなど)
- 過去1年半アメリカで居住(息子は現地プリスクールに在籍)
- 現在、5歳息子に合ったオンライン英語学習法を模索中
おうち英語が続かない5つの原因
忙しい毎日の中で継続するのは簡単ではありません。ここでは、おうち英語が続かない主な原因を親側と子ども側の両面から探っていきます。
- 【親側】時間が取れず習慣化できない
- 【親側】親の英語力や指導への不安
- 【親側】成果が見えにくくモチベーションが低下
- 【子供側】子どもの興味や集中力が続かない
- 【子供側】子どものモチベーションが続かない
親の要因
時間が取れず習慣化できない
共働き家庭では、仕事や家事、育児に追われる中で、おうち英語に割ける時間を確保するのが難しいです。



我が家がそうですが、特にフルタイム勤務の場合、帰宅後は夕食準備や寝かしつけなどであっという間に時間が過ぎてしまいます。
時間の制約は特に働くママにとって大きな課題です。働きながら家事もこなし、その上で子どもの教育にも力を入れたいという思いはあっても、現実には日々の忙しさに押しつぶされてしまいがちです。



我が家も、幼児2人で共働きです。平日は、必要最低限のことをこなすだけで精一杯です。
親の英語力や指導への不安
親自身が英語力に自信を持てない場合、おうち英語を始めるハードルが高く感じられることがあります。「正しい発音で話せているのだろうか」「どんな教材を使えばいいのかわからない」といった不安は、多くの親が抱える悩みです。



読み書きはできても、実際に話すとなると躊躇してしまい、子どもの前で英語を使うことに二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか。



インターネットで検索すると様々な方法論が出てきて、かえって混乱してしまうこともあります。
結果として「プロに任せたほうがいいのでは」と考え、英会話教室やオンライン英会話に頼ることを選ぶ親御さんも多いのが現状です。しかし外部サービスだけでは英語に触れる時間が限られてしまいます。



教室はプロの力を借りて効率的に学べますが、どうしても英語にふれる時間は限られてしまいます。


成果が見えにくくモチベーションが低下
おうち英語はすぐに成果が出るものではありません。そのため、「本当に効果があるのだろうか」と疑問を感じてしまい、モチベーションが下がることがあります。特に忙しい中で取り組んでいる場合、「これだけ頑張っているのに結果が見えない」と感じると挫折しやすくなります。



SNSでは「うちの子は2歳でアルファベットを覚えた」「3歳で英語で日常会話ができる」といった投稿を目にして、焦りや不安を感じていませんか?
子の要因
子どもの興味や集中力が続かない
子どもは本来、興味のあることには集中しますが、興味がなければすぐに飽きてしまうものです。特に小さな子どもは集中力が短く、同じ活動を長時間続けることが難しいという特性があります。



親がせっかく準備した教材なのに、全然興味を示さないとがっかりしますよね。
子どもの興味関心は日々変化します。昨日まで大好きだったキャラクターの英語教材も、今日は「もういい」と言われることも珍しくありません。こうした子どもの気分の変化に対応しきれないと、おうち英語は続きにくくなります。
子どものモチベーションが続かない
子どもにとって「英語を学ぶ必要性」は実感しにくいものです。特に日常生活で英語に触れる機会が少ない環境では、英語を使う意義や楽しさを感じられず、モチベーションを保つのが難しくなります。



親の期待や押しつけが強すぎると、子どもは英語を「やらされている」と感じて反発心を抱くこともあります。息子から「英語で話さないで!」と注意されることもあります。
また友達との遊びやテレビ、おもちゃなど他に楽しいことがたくさんある中で、英語学習の優先順位が低くなってしまうのも自然なことです。子どもにとって「今」楽しいことを選ぶのは当然の心理といえるでしょう。
おうち英語歴3年の私が続けるためのコツ・秘訣
ここでは、おうち英語歴3年の私が実践した中で、効果を上げているおうち英語継続のためのコツをご紹介します。
- 学習を習慣化する
- 完璧を求めすぎない
- スキマ時間を活用する
- 楽しさを最優先する
- 親が一緒に楽しむ姿勢を見せる



先の5つの要因はどれも当てはまりました。3年間は悩み落ち込みながらも、でもゆるく楽しく、そして「とにかく少しでも続ける!」ことを意識しました。
①学習を習慣化する
おうち英語を続けるには、特別なことではなく「当たり前の習慣」にすることが重要です。習慣化のポイントは、日常のルーティンに組み込むことです。



私が一番大切にしていることです。習慣のチカラは最強です。
- スモールステップで始める
- 例えば、英語の絵本を1冊読む。まずはこれだけで十分!
- 毎日続ける
- 例えば「週3回やる」と決めても、実際には「週4回やらない」に意識が向き、そのうちやらなくなる
- 他のアクションとセットで始める
- 例えば、「朝ごはんの後は英語の歌を1曲聴く」「歯磨きの時間は英語で数を数える」など、すでにある日課に英語要素をプラスする



我が家では、年少くらいから朝の学習をルーチンにしています。年中の現在は、30分くらい机に座れるようになりました。
- 七田式プリント
- もこもこゼミ
- トド英語
- ラズキッズ
- RISU
②完璧を求めすぎない
おうち英語では、完璧を目指す必要はありません。英語学習は長期戦なので、肩の力を抜いて取り組むことが重要です。



私は、おうち英語を実践しようとしているだけで「自分偉い!」と思うことにしています。
完璧を求めず、「できる範囲で楽しむ」姿勢が、おうち英語を続ける鍵になります。例えば最初は週に2回、10分だけ英語の絵本を読む時間を作るといった小さな一歩から始めるのがコツです。



発音が完璧でなくても、文法が間違っていたとしても、子どもと一緒に英語に触れるだけで、親御さんは十分頑張っています!
③スキマ時間を活用する
忙しい家庭でもスキマ時間を上手に活用すれば、おうち英語は無理なく続けられます。短時間でも毎日触れることで、少しずつ成果につながります。
例えば朝の支度をしながら英語の歌を流す、通勤・通園の車内で英語音声を聴く、入浴中に英語の歌を歌うなど、すでにある日常の流れの中に英語要素を加えるだけでも効果的です。



我が家では、朝食や夕食の間に、英語音声(Podcast、童謠)などをかけ流しています。就寝前の英語の絵本も活用しています。
④楽しさを最優先する
おうち英語を続けるための最大の秘訣は「楽しさ」です。子どもにとって楽しくなければ続きません。
- 英語の歌やダンスで遊ぶ
- 好きなキャラクターの英語動画を見る
- ゲーム感覚で学べる教材やアクティビティを取り入れる



我が家では、1日30分のスクリーンタイムがあり、そこで英語動画(Peppa Pig, Bluey, Carsなど)を見ています。英語学習の時間だと思うと、罪悪感も和らぎます。
⑤親が一緒に楽しむ姿勢を見せる
親が積極的に参加し、一緒に楽しむ姿勢を見せることで、「英語=楽しい」という環境が作れます。



息子のやる気がないときは、私がトド英語やラズキッズをします。息子はとりあえず隣で見てもらうだけで十分です。親が楽しく取り組んでいると、そのうち息子も楽しんで参加し始めます。
おうち英語が続かないとどうなる?英語習得への影響
おうち英語を始めても途中で挫折してしまうと、英語習得にどのような影響があるのでしょうか?
英語習得は長期戦!短期間での効果は難しい
言語習得は、短距離走ではなくマラソンのような長期戦です。短期間で目に見える成果を期待すると、挫折しやすくなります。



短期間で成果を求めると、期待通りの結果が得られず「意味がない」と感じてしまうことがあります。
言語習得では「インプット」が「アウトプット」より先行するのが自然です。つまり、理解する力が話す力より先に発達します。子どもがすぐに英語を話さなくても、しっかり聞いて理解する力は着実に育っているのです。
母国語以外の言語習得までにかかる時間はさまざまな説があり、1,000時間と言われることもあれば、2,200時間や3,000時間という説もあります。
2,200時間といえば、赤ちゃんが産まれて毎日1日3時間人の言葉を聞いたと仮定して、約2歳になるくらいの時間です。母国語でもこれくらいの時間がかかるので、英会話を習得する場合でも同じくらいの時間は必要になります。
引用元:グローバルクラウン
おうち英語を続けることで、子どもの脳に英語の音や構造が蓄積されます。これらは短期的には見えづらいですが、長期的には大きな成果となります。
おうち英語が中断すると影響がある?
おうち英語を一時的に中断することへの不安を持つ方もいますが、過度に心配する必要はありません。確かに言語学習は継続が理想ですが、短期間の中断であれば大きな影響はありません。



特に基礎的な言語感覚は、一度身についたものは簡単には失われません。
むしろ無理に続けて親子ともにストレスを感じるよりも、一度休んでリフレッシュしてから再開する方が長い目で見ると効果的なこともあります。大切なのは「完全にあきらめない」という姿勢です。
おうち英語を続けることで得られるメリット
おうち英語を継続することには、英語力向上だけでなく、子どもの成長や家庭環境に良い影響を与える多くのメリットがあります。
- 英語力だけでなく自主性・学習習慣が身につく
- 英語を話すことへの抵抗がなくなる
- 良い発音やリスニング力が身につく
①英語力だけでなく自主性・学習習慣が身につく
おうち英語を続けることで、子どもは英語力だけでなく、自主性や学習習慣も育まれます。
- 毎日のルーティンを通じて、学習の習慣化ができる
- 自分から「もっと知りたい」と思う自主性が育つ
- 英語以外の教科にも応用できる学びの姿勢が身につく
これらは、英語だけでなく将来の勉強や生活全般に役立つスキルとなります。



我が家では朝学習のルーチンを大事にしています。学習内容も大切ですが、それ以上に「毎日続けること」を何よりも大切にしています。
②英語を話すことへの抵抗がなくなる
幼少期に英語に触れることで、「英語=難しい」という意識が薄れます。日常的に英語を使う環境があると、自然と英語への抵抗感がなくなります。
- 英語を「聞く・話す」ことへの心理的ハードルが下がる
- 学校の授業や試験で自信を持って取り組める
③良い発音やリスニング力が身につく
幼児期は言語を吸収する能力が高い時期です。この時期に英語の音やリズムに触れることで、英語特有の音やイントネーションに慣れます。特に「発音」や「リスニング」は、小さい頃から触れるほどスムーズに身に付きます。



特に2〜7歳頃は「臨界期」と呼ばれ、言語音を正確に聞き分ける能力が最も高い時期です。



「習うより慣れろ」というように、言語感覚として英語の構造を体得できるのです。
まとめ:おうち英語を楽しく続けるコツ
おうち英語を成功させるには、何よりも「楽しく続ける」ことが重要です。忙しい共働き家庭でも無理なく取り組める方法を見つけることで、親子で英語学習を楽しみながら継続できます。
- おうち英語が続かない主な原因
- 親側では時間不足、英語力への不安、成果の見えにくさがあり、子ども側では興味・集中力の持続難しさやモチベーション維持の課題がある。
- 完璧主義は禁物
- おうち英語は完璧を目指す必要はなく、「できる範囲で楽しむ」姿勢が継続の鍵となる。発音や文法が完璧でなくても、子どもと英語に触れる姿勢自体が大切。
- 習慣化の重要性
- 日常のルーティン(朝食後、歯磨き時など)に英語要素を組み込むことで、特別なことではなく「当たり前の習慣」にすることが効果的。
- スキマ時間の活用
- 朝の支度中、通勤・通園時、入浴中、寝る前の5分間など、日常の隙間時間に英語を取り入れることで無理なく継続できる。
- 楽しさ最優先
- 子どもにとっても親にとっても「楽しい」と感じられる活動でなければ続かない。英語の歌やダンス、好きなキャラクターの英語動画など、楽しめる形で英語に触れることが重要。
- 英語習得は長期戦
- 言語習得は短期間で成果が出るものではなく、1000〜3000時間程度の継続的な接触が必要。短期的な成果を期待しすぎないことが大切。
- 継続のメリット
- おうち英語を続けることで、英語力だけでなく自主性・学習習慣が身につき、英語を話すことへの抵抗がなくなり、良い発音やリスニング力が自然と育まれる。
コメント